宅建試験合格への近道:過去問を効果的に使う6つのポイント

宅建試験対策

宅建試験に合格するためには、効率的な勉強方法が不可欠です。その中でも過去問は最も重要なツールの一つですが、ただ繰り返し解くだけでは十分ではありません。SNS上では、何回繰り返した、という投稿が散見されます。しかし、正直なところ、繰り返した回数自体はあまり意味がありません。正解選択肢をただ暗記するだけで1万回繰り返しても、得点は大きく伸びません。ましてや、過去問の正解選択肢を丸暗記しても、同じ問題は出題されません。過去問をただ丸暗記するのではなく、解説を読み、背景や法的な理論を理解しながら解くことが重要です。過去問を繰り返す際には、理解を伴った学習が得点力を伸ばすポイントになります。

そこで、考えていただきたいのは、効果的な過去問の活用方法です。過去問を解く際に、なぜその選択肢が正しいのかを深く理解しながら解き進めることができれば、得点力は確実に向上します。

本記事では、私自身が意識した宅建試験合格のために過去問を効果的に活用するための具体的な手順とアドバイスを6つのポイントに分けて紹介します。これらの手法を取り入れることで、過去問を活かした勉強の質を高め、合格への近道を歩むことができるでしょう。

1. 問題ごとの理解を深める

宅建試験の過去問を解く際に、単に正解を覚えるだけでは十分な学習効果は得られません。重要なのは、なぜその答えが正しいのか、背後にある法律の根拠や理論を理解することです。

たとえば、民法の問題で「所有権」と「占有権」の違いを問われた場合、ただ答えを暗記するのではなく、所有権が持つ法的効力と、占有権が法的にどのような意味を持つのかをしっかり理解することが重要です。宅建試験では、同じテーマでも異なる視点から出題されることがあるため、背景知識を理解することで、問題の応用力が高まります。

過去問の解説を読む際は、関連する条文や法律の理論を確認し、問題の背後にある法的な枠組みを理解するように心がけましょう。これにより、単なる暗記ではなく、応用力のある知識を習得できます。

これは、用語を正しく理解するという意味にもなります。例えば、上記で取り上げた「所有権」と「占有権」について、一般的な意味: 「所有」は持ち物としての所有を意味し、「占有」は一時的に持っている状態と認識されることが多いと思います。

一方、法律用語としては、以下のような意味を持ちます。占有権は一般的な意味とは、明らかに異なりますよね。

所有権: 物に対して全面的な支配権を持ち、使用、収益、処分が自由にできる法的な権利。

占有権: 物を事実上支配している状態に基づく権利。物の所有者でなくても占有権を持つことができ、取得時効により占有を通じて所有権を主張できる場合もある。

間違えた問題の徹底復習

過去問を解いたとき、間違えた問題や自信が持てなかった問題は、特に注意深く復習する必要があります。何度も同じ間違いを繰り返すことを防ぐためには、なぜその問題を間違えたのか、どの部分で理解が足りなかったのかを明確にすることが大切です。

間違えた問題は、ただ解き直すだけではなく、同じテーマに関連する問題を追加で解くことで、より深く理解することができます。この徹底した復習こそが、合格への確かな一歩です。

加えて、過去問を反復することがあると思うのですが、間違えた問題は毎回同じなのか、異なるのかも確認してください。毎回同じところを間違えている場合は、該当部分の理解が不足していることが明確です。一方、毎回異なる設問を間違える場合は、つまり、同じ問題に対して、ある時は正解、ある時は不正解という状態は、理解があやふやな部分がある可能性が高いです。このような場合は、間違えた部分を中心にテキストを読み直し、基礎を固めることが重要です。

くれぐれも正解選択肢を覚えればよい、と誤解無きようにお願いします。

 

類似問題を解く

過去問に加えて、同じテーマに関連する類似問題や模試問題を解くことも非常に重要です。同じようなテーマでも、出題の切り口や出題形式が異なることで、新たな知識の応用力を養うことができます。

たとえば、「借地借家法」や「宅地建物取引業法」などは、宅建試験で頻繁に出題される分野ですが、毎回異なる視点から問われることがあります。複数の問題集や模擬試験を活用し、異なる角度からの出題に慣れておくことで、どのような形式で出題されても対応できる柔軟な知識が身につきます。

私、問題文の読み取りに問題がある、と宅建講師から指摘されました。つまり、設問の表現が異なっているだけで、設問の意図を正しく理解できなかったのです。なので、まずは過去問を何度か解き、全体的な合格点に達することを目指しました。その後、市販の模試にチャレンジして、新しい出題パターンや問題形式に慣れることで、幅広い問題に対応できる力を身につけました。過去問は基礎の確認、市販模試は応用力の強化という使い分けが大切です。目的は、どんな問われ方をしても、正しく設問を理解して、正解選択肢を見抜く為です。

この訓練により、多角的な視点で問題を解くことで、知識の定着度と応用力が飛躍的に向上します。

アウトプットを意識する

知識をしっかり定着させるためには、アウトプットを意識することが非常に効果的です。問題を解いた後、なぜその答えが正しいのかを自分の言葉で説明できるようになると、理解度が一層深まります。

たとえば、過去問を解いた後に、友人や家族に解答の理由を説明してみる、あるいは自分で解説をまとめてみると、頭の中で知識が整理されやすくなります。特に、重要な条文やルールについては、他者にわかりやすく説明できるレベルまで理解することが重要です。

知識があやふやだと、他人に説明できません。さらに言えば、他人から質問をされても解答できません。なので、他人に対する説明は実は非常に効果のある訓練です。

身近に解答の理由を聞いてくれる人がいない場合、現在のテクノロジーを活用してアウトプットの機会を増やすことができます。例えば、X (Twitter)でつぶやいてみると、親切な方から指摘がもらえるかもしれません。ただし、必ずしも指摘が得られるわけではないため、自分で解答理由をノートにまとめたり、模試を受けて自己評価するなど、他の方法でもアウトプットを続けることが大切です。また、講習会に出席しているのであれば、その場で知り合った人に語ってみるのもいいかもしれません。講習会で出会った人のレベルは不明ですが、あまり関係ありません。自分より学習の進んでいない人に対して語るのであれば、その人が分かるように説明できるかどうかをチェック。自分より学習の進んでいる人に対して語るのであれば、正誤の指摘をしてくれるはずです。

いずれにしても、アウトプットすることで、自分が理解していない箇所や曖昧な知識が浮き彫りになります。学習の進捗を客観的に確認することができます。

時間を計って解く

本番の試験と同じ条件で過去問を解くことは、時間管理能力を養うために非常に重要です。宅建試験は限られた時間の中で多くの問題を解く必要があり、時間配分を間違えると、本来正解できる問題でも焦ってミスをすることがあり得ます。

まず、過去問を解く際には、試験と同じ時間を設定して解いてみてください。たとえば、120分の時間制限内で過去問を解き、その中でどれだけ正確に解答できるかを確認します。時間配分を意識しながら解くことで、実際の試験でも落ち着いて対応できるようになります。

また、時間を計って解いた後には、どの問題に時間をかけすぎたのか、どの問題をもっと効率的に解けるのかを振り返り、次回の改善点を見つけることが大切です。これを繰り返すことで、試験本番に向けての自信がつき、スムーズに問題を解けるようになります。

加えて、この訓練で、取り掛かる設問の順番も決めておきましょう。私のお勧めは、宅建業法、法令上の制限、そして、権利関係の順です。何故、この順番なのか?合格する人の得点配分は、宅建業法で最低でも8割得点するはずです。できれば9割あるとさらに効果があるのですが、「この試験、合格できるんじゃない?」と心にはずみつくのです。この勢いで、法令上の制限、そして、最も時間がかかって、かつ、得点が難しい権利関係に臨みましょう。スタートダッシュが良ければ、時間配分的にも余裕をもって全問に目を通すことができるはずです。

この習慣を日ごろの訓練で身に付けておきましょう。きっと、本番試験で役に立つはずです。

※私は、5点免除を受けているので、問46から問50の免除科目については、分かりません。

試験の全体像を把握する 宅建業法は最重要項目

過去問を解く際には、個別の問題に集中するだけでなく、試験全体の出題傾向や配点のバランスを把握することが大切です。宅建試験は、分野ごとに出題される問題数や重要度が異なります。どの分野で点数を確実に取り、どこで時間を節約するかを戦略的に考えることが必要です。

先述の通り、私は、宅建業法、法令上の制限、そして、権利関係の順で得点しやすいと思っています。

  • 宅建業法 20問
  • 法令上の制限(税、その他) 11問
  • 権利関係 14問

という配点になっています。宅建試験は条文に基づいて出題されます。つまり、条文数の数に対して問題数が多いのです。宅建業法は、たった86条しかないのです。一方、権利関係の元となる民法は、1044条もあります。つまり、狭い範囲から多くの問題が出題されるということです。出題者は頭が痛いと思います。何故かと言えば、狭い範囲から出題しなければならない。過去問と同じ問題は使えない。となると、表現を変える、状況を変えるなど、同じ論点について角度を変えた出題をするしかない訳です。出題の背景が分かってくると、問題の読み取りがいかに重要か分かりますよね。なので、私は、どんな問われ方をしても、正しく設問を理解して、正解選択肢を見抜く為に、様々な市販模試を解きました。

配点の視点から言っても、宅建業法を捨てるなんて、絶対にあり得ない訳です。最低8割は死守していただきたいです。当然ですが、本番当日の意気込みは、満点狙いですよ。

 

過去問を最大限に活用して合格を目指そう

宅建試験に合格するためには、過去問をただ繰り返し解くだけではなく、その問題をどのように活用するかが鍵となります。過去問を効果的に使いこなし、知識の定着と応用力を高めていきましょう。単に、過去問をただ繰り返し解くだけでは十分な効果は得られないかもしれません。しかし、問題ごとの背景や関連する法律の根拠をしっかりと理解しながら解くことで、知識の定着と応用力を高めることができます。過去問を効果的に使いこなすためには、理解を伴う繰り返しが不可欠です。過去問を通じて、自分の理解度を確認し、間違えた問題を徹底的に復習することで、合格への自信を確実に高めることができます。ぜひ、これらの手法を実践し、宅建試験での成功を手に入れてください!