HSBC アメリカの銀行口座開設は可能? 非居住者編

お金の話

ビジネスで頻繁にアメリカに渡航する方にとっては、アメリカの銀行口座があると便利かもしれませんね。また、オンライン決済で、米ドル建て決済を頻繁に行う方も、アメリカに銀行口座があると便利ですね。今回は、アメリカのソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)を持っていない非居住者向けに、HSBC USAでのプレミア口座開設についてご説明いたします。

HSBC USAとは何?

HSBCと言っても、多くの日本人にはなじみがないかもしれません。あるいは、知っていたとしても、香港の銀行と認識されているかもしれませんね。まずは、HSBCについて説明します。HSBC(HSBC Holdings plc)は、ロンドンに本社を置く、世界最大級のメガバンクです。1865年に香港で創設された香港上海銀行(The Hongkong and Shanghai Banking Corporation Limited)を母体として1991年に設立されています。それ故、香港の銀行というイメージが強いのですが、世界各地に存在します。以前は、日本でも、個人向けの業務を行っていましたが、現在は法人向け営業のみを行っています。HSBCは、アメリカで現地法人HSBC Bank USA, N.A.を構えており、全米に約150の店舗を有しています。本店は、ニューヨークにあります。

プレミア口座開設に際して認識すべきハードル

アメリカで銀行口座を開設するには、原則的にソーシャルセキュリティーナンバー(SSN)が要求されます。日本で言うところのマイナンバーに相当する番号です。SSNは、アメリカ市民・および米国のビザを持って米国居住する人のみが取得することのできる番号です。それ故、SSNを持っていない外国人が、米国に銀行口座を開設するのは難しいです。しかし、HSBCでは、口座開設できる可能性があります。もちろん、有効なビザをお持ちの方で、SSNを取得されている方は、口座開設の難易度が下がります。

HSBC Premier口座開設には、最低預金額が75,000ドル以上が求められます。この預金額を下回ると、月50ドルの口座維持費が徴収されます。また、口座開設申し込み時に口座開設の目的を問われます。もちろん英語でのやり取りとなります。従って、英語での意思疎通ができない方、正当な口座開設目的がない方の口座開設は難しいと言えます。

アメリカでHSBC プレミア口座開設するメリットとは?

HSBCは、アメリカを含めた複数の国で口座開設をする方にとっては、第一候補となるかと思います。海外での口座開設がアメリカのみの場合は、Union Bank等、HSBC以外の銀行も併せて、検討いただくことをお勧めします。Union Bankであれば、日本からも口座開設の申し込みが可能ですし、開設後も、日本語対応窓口があるので敷居が低いと思います。

HSBC Premierの世界共通のサービスとして、Global View / Global Transfersという機能が挙げられます。Global Viewは、ご自身がお持ちのHSBC Permier口座残高を一覧で閲覧することができる機能です。あなたが、複数の国で、HSBCプレミア口座を開設している場合、ワンクリックで全口座の残高を見ることができます。

Global Transfersは、ご自身の口座間で資金移動する機能です。あなたが複数の国で、HSBCプレミア口座をお持ちの場合、ワンクリックで別の国の口座に移動することができます。日本から海外送金をする際の手続きは、各種の書類を要求されることがあります。しかし、Global Tansfersは、そのような手間はありません。HSBCが店舗展開する複数の国に出張する機会のあるビジネスマンにとっては、とても便利な機能ですね。

アメリカ非居住者でもクレジットカードも申し込める

異国の地でクレジットカードを持つことは至難の業です。日本で高いクレジットヒストリ―を持っていたとしても、アメリカでのクレジットヒストリーがなければ、通常はクレジットカードを作ることができません。それ故、一般的には、渡米直後でアメリカでのクレジットヒストリーが無い方は、セキュアード・レジットカード(Secured Credit Card)と呼ばれる預金口座とリンクしたクレジットカードを作って、クレジットカードヒストリーを構築することとなります。あるいは、特別な審査基準をもつANA CARD U.S.A.やJAL USA Cardを作ることとなります。

HSBCプレミア口座を開設できる人であれば、アメリカでのクレジットヒストリーが無くてもクレジットカードも持つことができる可能性があります。このカードはHSBCプレミア口座を持つ人専用のカードです。

日本で発行されたクレジットカードを海外で使用すると、為替手数料等として、2%前後の費用が上乗せされて請求されます。しかし、米ドル建ての決済について、このクレジットカードを使用する場合、為替手数料がかからない、というメリットがあります。年会費は掛かりません。

非居住者がHSBC Premier Account 開設を申し込む手順とは?

口座開設を希望する場合、まずは、訪問したい支店に連絡して予約をしましょう。いきなり支店に行っても、担当者不在など、残念な結果に終わることがあります。日本の銀行と異なり、海外の銀行では、予約をして店舗訪問することが多いです。

口座開設の予約をすると、当日までに用意する資料が伝えられます。人によって指示される書面は異なる可能性がありますが、概ねこのような書面が必要とお考え下さい。HSBC Premier口座開設に際して、国によって要求される書面は異なります。
1) Account Opening Form/ 口座開設申し込み書
2) Passport/ パスポート
3) Proof of Residential Address (example, front and back copy of Drivers license, latest Bank Statement or Utility bill.) / 住所を証明する書類 (例:運転免許証、直近の銀行取引明細、光熱費請求書)
4) Latest 3 months bank statements / 直近、3か月の銀行取引明細
5) For employed : Proof of Income (latest Income Tax form / latest 3 months pay slip / Valid Employment Contract / latest 3 months bank statement where salary is credited) / 雇用されている場合:収入証明書(最新の所得税申告書/最新の給与明細書/有効な雇用契約書/給与が入金されている直近3ヶ月分の銀行取引明細書
6) For self-employed : proof of business ownership and latest 3 months business banking statements and latest company income tax statements / 自営業の場合:事業所の所有者であることを証明するものと、直近3ヶ月分の銀行取引明細書、直近の会社の所得税明細書
7) Business card (if any) / 名刺 (もしあれば)

これらの書類の準備指示が無くても、持っていくと無難です。何かの説明を求められた際に、すぐに提示できれば、手続きがスムーズに進みます。申し込み後口座開設までに審査に数日を要することがあります。

上記に追加して、マイナンバーカードが要求される可能性が高いです。昨今、マネーロンダリング防止の為、多くの銀行では、口座開設に際してマイナンバーカードの提示が求められています。それ故、日本国外に居住の日本人が、海外で口座開設する際に、問題が生じる場合があります。

HSBC Seattle Branch

写真出典:Google maps

アメリカのHSBCの店舗に出向かなくても口座開設できますか?

既に他国でPremier口座をお持ちの方であれば、口座開設できる可能性がありそうです。口座開設ご希望の方は、直接 HSBCにお尋ねください。以下のような回答をHSBCから得ています。

I kindly reqiest your friend to contact us and chat with us so that we can assist further with details. Due to security reasons we will not be able to provided the details as your friend needs to open the account. There is cross border policy we need to follow so he needs to contact us for me to provide any further details please.

日本のHSBCでアメリカの口座を開くことはできますか?

日本にもHSBCはあります。しかし、法人向けに特化しているため、個人向けの業務は行っていません。また、海外のHSBCへの紹介業務も行っていません。各国のHSBCに直接、口座申し込みをすることとなります。

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