マレーシアで行う資産運用 銀行の定期預金 金利は魅力的?

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日本の銀行では、普通預金は当然ながら定期預金にしても、金利が限りなく0%に近い超低金利です。お金を預けていても全く増えません。日本の銀行金利に魅力が無いなら、海外に目を向けてみてはどうでしょうか?今回は、マレーシアの定期預金について解説します。

マレーシアの主要銀行とは?

日本に住んでいると、マレーシアにどんな銀行があるか分からないですよね。まずは、主要な銀行を理解しましょう。総資産額の上位5行は以下の通りです。マレーシアに行くと、これらの銀行のロゴをよく目にします。この5行は、いずれもマレーシア資本の銀行です。創業者の経歴を見てみると、もともと別の銀行に参画していて、銀行業のノウハウを得た後、新しい組織を立ち上げているひとが多いです。また、中華系の創業者が大半であることも分かります。マレーシア経済を中華系が握っていることが、銀行の成り立ちからも垣間見ることができます。

Maybank

Maybankは、マレーシアで最大の銀行で、1960年の創業です。創業者のクーテクパ(Khoo Teck Puat
,邱德拔)は、シンガポール生まれの中華系の人物です。彼のキャリアは、シンガポールにあるOCBC(華僑銀行)から始まりました。OCBCを去った後、マレーシアを基盤とする新しい銀行、Maybankを創立しました。アセアン各国をはじめ、イギリス、アメリカ等にも展開しています。

CIMB Group Holdings

2番手は、CIMBです。いくつかの銀行が合併し、2006年に現在の組織になっています。合併前の銀行の歴史を紐解くと、最古の銀行は、1924年創業のBian Chiang Bankにまでさかのぼることができます。日本の三菱UFJ銀行と関係が深いことでも知られています。三菱UFJ銀行は、2017年まで、CIMBの全発行株式の4.6%を持っていましたが、保有していた全CIMB株式を売却しています。

Public Bank Berhad

3番手は、1966年創業のPublic Bankです。創業者のテーホンピオ(Teh Hong Piow
郑鸿标,)は、シンガポール生まれの中華系の人物です。彼のキャリアは、Maybankから始まりました。マレーシアの他、香港、カンボジア、ベトナムに展開しています。

RHB Bank

4番手は、RHBです。いくつかの銀行が合併し、1997年に現在の組織になっています。合併前の銀行の歴史を紐解くと、1913年創業のKwong Yik (Selangor) Banking Corporationにまでさかのぼることができます。マレーシアの他、シンガポール、タイ、ベトナム、ブルネイに進出しています。

Hong Leong Bank

5番手は、1905年創業のホンリョン銀行です。創業地は、サラワク州クチンです。華僑向けの本国送金サービスを祖業としています。創業者は、中華系のクェク・レン・チャン(Quek Leng Chan,郭令灿)です。

番外編:HSBC

日本人にとっては、おそらく最もなじみがあるであろうHSBCを最後の取り上げます。マレーシアでの創業はマレーシアローカルの銀行より古く1884年まで遡ることができます。ペナンのジョージタウンには、歴史を感じる建物にて営業しています。MM2Hホルダーに人気の高いHSBCは、資産規模からすると、トップのMaybankの10分の1の規模です。また、店舗、ATM数も、残念ながらMaybankとは比べ物になりません。

写真:Google map

定期預金の金利は?

マレーシアの銀行では、2017年ごろまでは、各行の定期預金金利は、どの銀行でも3%前後を推移していました。また、プロモーション期間中には、上乗せ金利があったりと、超低金利の日本の銀行から比べると、とても羨ましい金利がついていました。しかし、世界的な低金利の波は、マレーシアにも影響しています。2021年現在、1年定期の場合は、2%を切るところまで金利が低下しています。低くなったとは言っても、2%前後の金利は、日本では考えられない高金利です。一考の価値はありそうですね。各銀行の金利をまとめた便利なサイトがあります。非マレー系(非ブミプトラ系)銀行の方が、金利が高い傾向がありそうです。

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金利はマレーシアの中央銀行(Bank Negara、http://www.bnm.gov.my/)が決定する金利に連動しています。

定期預金の利息には税金がかかるの?

マレーシアで発生した利息について、マレーシア国内では税金がかかりません。無税です。しかし、残念なことに、日本の居住者は、全世界所得を申告する必要がある為、マレーシアで発生する利息についても、日本で納税義務があります。日本の非居住者になった場合は、日本での納税義務は発生しません。

ペイオフ・預金保険制度はあるの?

マレーシアの銀行って大丈夫なの?つぶれたりしないの? 異国の地ですから、現地の銀行に対して不安な気持ちが生じるのも当然のことです。日本では、預金保険制度があり、1人当たり1つの銀行に対して、1000万円の預金保険が適用されています。マレーシアでもDIS(Deposit Insurance System)と呼ばれる同等の仕組みがあります。今回取り上げた銀行はいずれも、預金保険制度が適用されています。DIS (預金保険制度)を運営する組織は、PIDM(Perbadanan Insurans Deposit Malaysia)です。PIDMのサイトに行くと、同機構に加盟している銀行の一覧があります。皆さまがお使いの銀行が、PIDMに加盟しているかご不安な時は、こちらのリストを確かめてみてください。

https://www.pidm.gov.my/en/for-public/deposit-insurance-system-dis/member-banks/

いくらまで保証されるのか?

1人、1銀行当たり RM 250,000です。RM1=JPY 25と換算する場合JPY6,250,000となります。

MM2Hで、RM300,000を預けている人は、既に保険制度を超えた金額を預入していることをご認識いただく必要があります。

保険の対象はだれ?

PIDMに加盟している銀行に預け入れをしているすべての人です。国籍、マレーシアでの居住/非居住は関係ありません。

保険の対象商品は?

普通口座や当座預金口座、定期預金口座やイスラム預金口座の資産が対象です。投資信託等、預金以外の金融商品は対象外です。