マレーシアでは、車は生活必需品です。バスやGrabがありますが、自由度で言えば、自分で車を運転できることに越したことはありません。今回ご紹介する体験記は、日本の運転免許証を以てマレーシア ペナン州での運転免許証を取得する方法です。ご存知の通り、マレーシアの各種制度は、時と場所、さらに担当者によって大きく変わります。また、手続きにかかる所要時間も変わります。それ故、筆者の体験が、必ずしも、皆さまに当てはまるか分かりません。あくまで過去事例の一つとしてご覧ください。これから免許証を取得する方にとっては、何も情報がないよりは良いと思いますので、よろしければご一読ください。なお、今回の体験記は、2019年8月時点です。知人情報を基に、一部、私の体験以外の情報も加筆しています。私の滞在資格は、MM2Hです。
マレーシアでは車は必須 運転免許証取得のためにやること
免許取得までには、2ステップあります。以下の順で、進めてください。
在ペナン日本国領事館に行く
まずは、在ペナン日本国領事館に行き、自動車運転免許証抜粋証明を取得しましょう。手続きはには、以下の書面が必要です。
- 日本の運転免許証
- 本人のパスポート
- 領事館にある運転免許証翻訳証明の申請書(2枚)
- 代理申請の場合は、代理人の旅券(顔写真のページ)コピーを提出。
証明書は、英語で発行されます。ペナンの領事館では、証明書を申請日の翌日に発行されます。クアラルンプールの大使館では、4営業日掛かります。
自動車運転免許証抜粋証明の発行申請に際しては、在留届の有無は問われません。
手数料はRM80でした。現金のみの受付です。日本円やクレジットカード払いはできません。
在ペナン日本国領事館の場所はこちらです。1階にCIMBという銀行があるビルの28階です。入館に際しては、持ち物検査があります。また、館内は撮影禁止です。
ペナンのJPJ (道路交通局) に行く
次に行く役所は、JPJです。JPJとは、(Jabatan/部門、 Pengangkutan/交通、 Jalan/道を意味する単語の頭文字)マレーシアにおける運転免許証を発行する役所です。日本語に訳すと、道路交通局となります。ペナン州には、JPJが2か所あり、ペナン島と半島にそれぞれ1か所あります。場所や担当者によって対応が異なるのは、マレーシアでは驚くことではありません。私が免許証を申請した時、ペナン島のPJPはリードタイム1週間と回答していました。一方、半島のJPJでは即日発行でした。
免許証発行に際して、万一、都合の悪い条件が提示された場合は、もう一つのJPJに行ったら条件が良くなる場合があるかもしれません。逆に悪くなることもあるかもしれませんが・・・・
ペナン島のJPJ:空港からジョージタウンへ向かう道の左側に位置します。大通り(Jalan Sultan Azlan shah)には直接面していないのが厄介です。
半島のJPJ:ペナンブリッジは有料です。橋を渡る前に、Touch’n Goに十分なお金をチャージ(現地では、Top upと言います)をしてからお出かけください。料金はこちら
側道を走っていないと、行き過ぎてしまいます。行き過ぎると、結構遠くまで行かされたり、余計な高速道路通行料が掛かったりします。
MCO期間中は、窓口はアポイントメントが必要。
ペナン島のJPJでは受け付け不可。半島での申請が必要。リードタイム1か月。
免責事項:状況は刻刻と変わります。記載情報と皆さまがJPJに行く時点では対応が異なること可能性があります。
JPJ(道路交通局)に提出する書類は?
以下の書類をご準備の上、JPJにお出かけください。場合によって提出が求められないかもしれませんが、書類不備を指摘されて、運転免許証が取得できないよりはいいですよね。
- ペナンの領事館で発行された自動車運転免許証抜粋証明
- パスポート(原本とコピー(顔写真ページと有効なビザページ))
- MM2HのApprval letter(原本とコピー)
- 日本の運転免許証(原本とコピー)
- 証明写真(32mm x 25 mm)
- 運転免許証発行申請書(JPJの窓口、ご自身で記入)
- 費用(RM60/年 x 最大5年)
- 現在の居所を証明できる書面(居所の賃貸借契約書など)
パスポートにMM2Hが張り付けてあるので、Approval letterは無くてもよさそうな気がしますが、必須です。私は、これを持っていかなかった為に、かなり苦労しました。最終的には、iPhoneに入れておいたPDFファイルを、係員が指定するメールアドレスに送信し、受け付けてもらいましたがひやひやモノです。事前に用意して持参してください。
運転免許証発行申請書は曲者です。なんと、全部、マレー語表記です。なので、記入に際してはGoogle 翻訳を使うか、近くにいる親切そうな人に助けてもらってください。日本人の感覚ですと、住民票に相当するものが必要では?という疑問が湧くかと思います。少なくとも私は、それに相当する書面を提出した記憶がありません。念のため、居所として記載する場所の賃貸借契約書をお持ちいただくと、免許証に記載する住所を間違えなく転記できます。
費用は、現金のほか、クレジットカード払いができました。
視力検査はありませんでした。なので、メガネ等という特記事項も当然ありません。
マレーシアで発行される運転免許証はどんなデザイン?
すべての手続きが無事に完了すると、このような免許証が発行されます。日本の免許証と異なる点がいくつかあります。
- 名前は、姓+名の順で発行されました。この並びは日本と同じですね。
- 日本の免許証では、発行者として日本という表記は一切なく、都道府県名が記載されています。マレーシアでは、発行者として州名は記載されておらず、写真の通りマレーシアと記載されています。マレーシア国外でも、マレーシアの運転免許証であることが一目で分かります。
- 運転免許証番号がありません。その代わり、日本のパスポート番号が記載されます。
- 誕生日の表記がありません。但し、有効期限が誕生日になるので、●月●日生まれであることは分かります。有効期限設定方法は、日本と同じですね。
B2は、排気量250CC未満の意です。日本で大型二輪の免許を持っていても、残念ながら一律B2に格下げとなります。
Dは、自重3500kg未満般乗用車です。オートマ限定の場合は、DAと表記されます。
マレーシアの免許証はどこで通用する?
マレーシアの免許証の効力は絶大です。まずは、ASEAN諸国すべてで通用します。これは、1985年7月9日のASEAN諸国が発行した国内運転免許証の承認に関する合意に基づきます。それ故、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、ラオス(全10か国)については、確実に通用します。(この合意締結時には、ASEAN構成国は7か国。)
マレーシア国内では、ホテルのチェックインなどで身分証明書として使用することもできます。
私は、アメリカ、カナダでレンタカーを利用するときは、マレーシアの免許証をそのまま提示しています。そして、断られたことは一度もありません。マレーシアの運転免許証のおかげで日本で国外運転免許証を取る必要がなくなりました。マレーシアの運転免許証は、マレー語、英語の2か国語表記です。ありがたいですね。知人は、オーストラリア、アイスランドでマレーシアの運転免許証が使えたと言っています。
※渡航先国、およびレンタカー会社で取り扱いが異なる場合があります。マレーシアの運転免許証が、ご自身が渡航する国、レンタカー会社で通用するか否かは、各自でご確認ください。
※外国免許から書き換えで得たマレーシアの免許証を基に、マレーシア発行の国外運転免許証申請はできません。もっとも、マレーシアの運転免許証そのものがかなり広範囲で使えるので、国外運転免許証自体の必要性は低いですね。
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