タイムマネジメントのコツとは?仕事もプライベートも充実。時間の使い方で人生が変わる。

生き方・自己研鑽

会社に勤務している皆さんは、上司や先輩から「タイムマネジメント」という言葉を少なくとも1度は聞いたことがありますよね?特に新人だった頃、「社会人はタイムマネジメントが重要だ」というようなことを耳にタコができること聞かされているかと思います。ですが、上司、先輩も実はタイムマネジメントの本質を分かっているのか、疑問に思ったことはないでしょうか?タイムマネジメントに関するの講習会に参加した際や、タイムマネジメントの本を読む度に、「世の中の大勢の人はタイムマネジメントの本質を分かっていないのではないか?」という気がしました。これからご紹介するタイムマネジメントの概念が、皆さまが理解しているタイムマネジメントとの差異を見つけてください。

タイムマネジメント/時間管理がうまくいかない理由

先輩や上司は、タイムマネジメント=効率化と教えていませんか?そして、「そうだよな!効率化したら、生産性があがるはず」と信じていますよね。過去、効率化ができた経験、できなかった経験を思い出してください。効率化に着手したステップを可視化すると、おそらく以下のような段階を経ていませんか?

  1. 仕事を効率化するためのテクニックを学ぶ。
    多くの場合、学ぶメソッドは、先輩や上司のアドバイスや、自分自身の成功体験に基づいています。
  2. 効率化を試みた仕事について、ある程度、成果が出てくる。
    担当している業務には精通しているはずですから、何某かの成果は出てきてしかるべきですね。
  3. 成果を出すために、さらに仕事をする。
    時間に余裕ができるはずだったのに、逆に忙しくなってしまった。。。

このような状況では、負の循環に陥ります。このような負の循環から脱出する方法を考えていきましょう。

仕事に取組むマインドを変えよう

そもそも、何故、効率化をしなければならないのでしょうか?実は、効率化が成功する/失敗する原因は、仕事に取り組むマインドセットにあります。もし、効率化が目的となっていれば、残念ながら動機としては不十分なのです。言い方を変えると、効率化に対する熱量が低いのです。自分の理想像に近づきたいから効率化をする必要がある、という位置づけができるなら、効率化に対する熱量を高めることができます。言い換えると、効率化する必要性です。数式に表すと

効率化による成果 = スキル x 効率化する必要性

と示すことができます。

スキル:
現時点で皆さんが持つ能力です。もちろん、学習することによってスキルを高めることは可能です。しかし、スキル向上は、必ずしもすぐに達成できるわけではありません。例えば、皆さまおなじみの「エクセル」。大量の数値を管理・分析することのできる便利なツールですね。数値の管理・分析を効率化するために、書式を整えたり、複雑な関数を使用したり、あるいはマクロを組み込むという高度なスキルをを必要とされる場面が出てきます。単に数値の入力だけするなら誰でもできます。しかし、全く関数の書き方を知らない人が、いきなりマクロを組むことは、ほぼ不可能です。今日、明日に身に付くスキルではありません。このようにスキルの向上にはある程度の時間が掛かります。

必要性:
目前にある課題に取り組む理由や目的と言い換えることもできます。必要性は、スキルとは異なり、ご自身の認識次第でいくらでも変えることができます。「絶対にこの課題を何とかしたい」という強い目的意識があると、必然的に熱量が変わってきます。熱量が高ければ、困難を乗り越えていくことも容易になります。例えば、自分自身のスキル値が1しかないとする場合、必要性がMAXなら周りの誰かを巻き込むことを考えるでしょう。巻き込んだ人のスキルが10だとすると、スキル値は一気に10倍になるのです。あなたの身の回りに、ある物事に対する熱量の高い人っていませんか?その人の周りには、その熱い思いに共感する人が大勢集まってきていないでしょうか?

また、必要性が高くなると、情報感度も高くなります。脳は、不必要な情報を捨ててしまいます。毎日目にする物であっても、そして、大好きなものであっても意外に覚えていないことがあります。例えば、表面に描かれている人物が福沢諭吉であることは知っていますよね。では「1万円札の裏側に書いてある絵は何でしょうか?」と聞かれて、即答できますか?おそらく「何だっけ?」と考え込んだ人が多いのではないでしょうか。皆さんにとって一万円札の裏側に描かれている平等院の鳳凰像は、不要な情報なのです。必要な情報であれば、記憶に残りますし即答できますよね。逆に必要性が低ければ、情報が入ってこないのです。

出典:日本銀行HP

つまり、効率化を達成するには、効率化する必要性・目的が極めて重要であることが分かります。必要性・目的があやふやだと効率化は達成できません。効率化の必要性・目的は人それぞれですし、かつ、取り組む内容によって変わります。ただ、大切なことは、必要性・目的が強固であればある程、効率化できる、ということです。

タイムマネジメントをする目的は何か?

改めて質問します。あなたは何のためにタイムマネジメントに取り組むのでしょうか?

  • 仕事を効率化するため?
  • 仕事で成果を出すため?

もし、このような考え方をしている方は、残念ながら短期視点で物事をとらえている傾向があります。上司から効率化や仕事での実績を求められているが故に、タイムマネジメントが必要と考える傾向があります。そうすると、

仕事の成果 = 生産性⇧⇧ x 時間

というような数式を頭に浮かべたのではないでしょうか?この式で、仕事の成果を上げるには、単位時間当たりの成果を上げる必要が出てきます。でも、どうしたら生産性を挙げることができるのでしょうか?上司や先輩に生産性を挙げるヒントを尋ねると、

  • To Do リストの活用/ まず、何をするのか明確化しよう。
  • 優先順位の明確化/ そして、何から取り組むのか優先順位をつけよう。
  • 仕事の割振り/ 誰かにお願いしなければならないものがあるなら、その人の都合も考えて早めに相談しないとね。
  • 早朝時間の有効活用/ 早朝は電話がかかってこないから、仕事中断しなくていいんだよね。
  • 便利ツールの活用/ 世の中、様々なツールがあるから使ってみなよ。

という類の回答ですよね。でも、そのようなアドバイスを聞いた多くの人が、「そんなことは既にやっているからもう無理!他のアドバイスが欲しい」と思うことになります。これらのアドバイスには、一体、何が欠けているのでしょうか?

このような視点の問題点は、あなたの特性を考慮していない点にあります。つまり、あなた自身は、何をしているときに生産性が高くなるのか、という視点です。言い方を変えると、嫌いな事、苦しい事、辛い事については生産性を上げるのが難しい、ということです。

タイムマネジメントを上手くやっている人を観察していると、着目点が異なっていることに気が付きました。

生産性が低い人

仕事を効率化する目的が「仕事の成果を上げること」とする場合、生産性が低くなってしまいます。残念ながら、いくら頑張っても外部要因によって、全く成果が出ないことはありますよね。例えば、突然ライバルが現れるかもしれません。コロナ禍のような全く想定していない事象が発生することもあります。このような外部要因によって、仕事の成果は、あなたの想定とは程遠いところに着地する可能性があります。仕事の成果を目的とする場合、成果の達成度合いは、あなたのモチベーションに影響してしまいます。それ故、ご自身のモチベーションを高く保つことが難しいのです。自分のコントロールが及ばない要素がたくさんある地点をゴールとすると、モチベーションの浮き沈みが大きくなります。

生産性が高い人

生産性が高い人の仕事に対する価値観は、自分自身が理想としている像に近づく/理想像そのものになることを目的にしています。なので、このような人達にとっての理想像とは、直接的に求められている仕事の成果ではないのです。ですから、仮に、コロナ禍やライバルの出現により、業績や成果が芳しくなくても、モチベーションの浮き沈みは発生しません。どのような状態であっても、どうすれば自分自身の理想像に近づくことができるか、ということを考え続けます。モチベーションは自分自身が思い描く理想像に近づく事に依存しているので、外部要因による影響はありません。

タイムマネジメントのコツは理想像の把握  あなたの理想像は?

理想像についてあまり考えたことが無い人もいらっしゃいますよね。ここで想定する理想像の要件とは、

  • 理想像について語ったら1時間は話すことができる。
  • 理想像を考え始めたら、眠れなくなる程興奮する。

というようなものです。要するに、理想像は、熱いハートを以て語られるものなのです。とても熱いものなので、多少の壁があったとしても何とか乗り越えようとする源泉になります。皆さんの理想像ってどのようなものですか?理想像に対する想いが強ければ強い程、理想像に近づきたい、という願望が強まります。先程の数式を思い出してください。

効率化による成果 = スキル x 効率化する必要性

理想像に近づきたいという熱い思いや願望は、効率化する必要性に直結します。

効率化による成果⇧⇧⇧ = スキル x 効率化する必要性

例え自分自身のスキルが不変であったとしても、必要性が2倍、3倍に膨れ上がれば、効率化による成果も2倍、3倍に膨れ上がります。ご自身の理想像を設定していない人は、是非、理想像を設定してみましょう。なりたい自分って、どんな姿でしょうか?思い描いている姿について1時間熱く語ることができるようであれば、それがあなたの理想像かもしれませんね。