副業が当たり前の時代 ライフシフトや起業は当然の選択肢になる

生き方・自己研鑽

一昔前まで、起業や副業はどちらかといえば少数派の生き方でした。しかし、これからは、起業や副業が当たり前の時代になってきます。コロナ禍によって、従来の仕事観は否応なく変えていかざるを得なくなりました。航空業界、ホテル業界、飲食業界などでは、大幅な売り上げ減に伴い、従業員を雇い続ける体力がなくなってきています。現在、不況となっている業界に勤務していないから関係ないと思っている人は危険です。何故なら、あなたの勤務する企業も、いつ、どのような要因で経営が傾くか分かりません。いよいよライフシフトが当たり前の時代になってきました。

関連記事:コロナ禍で副業解禁はすすむ? JAL,ANA,みずほにみる雇用政策の変化

副業や起業も視野に入れて自分自身の人事権を自分に取りもどそう!

今から30年前程、女性総合職の門戸が小さく、多くの女性は一般職という枠での採用でした。そこでの業務には、お茶くみなど、およそスキルが身に付かない職務しか与えられませんでした。このころの女性従業員は、クリスマスケーキと呼ばれることもありました。意味分かりますか?クリスマスケーキは、12月24日までに売らないと売れ残りますよね。つまり、女性従業員をクリスマスケーキに例えたのは、24歳までに寿退社することを想定した比喩なのです。また、24という言葉は、かつて、栄養ドリンクのCMでも使われていました。「♪黄色と黒は勇気の印、24時間戦えますか?ビジネスマン、ビジネスマン、ジャパニーズビジネスマン♪」。クリスマスケーキの例にしても、栄養ドリンクの例にしても、2020年代から振り返ると、ありえない事態ですね。過去を振り返ると、就業観は確実に変わっていることが分かります。ですから、これから未来を見たときに、現在、皆さんが当たり前と思っている就業観も、変わって当然なのです。

2020年から発生したコロナ禍で、私たちは、従来のゆっくりとしたスピード感ではなく、急激に就業観を変える必要に迫られています。つまり、終身雇用という就社観や、1社からの収入に頼るという生き方にリスクがあるということを認識せざるを得ないのです。このリスクに対応する生き方として、認識されるのが、副業や起業です。それ故、他社での就業は副業を認めない、という各社の就業規則は過去のものになるはずです。この就業観の下では、自分の人事権は自分自身が持っているという認識をする必要があります。つまり社会情勢の変化や、自分の置かれた条件・立場に応じて、自らLife Shiftが必要な時代になってきたのです。

人生100年時代 ライフシフトがあって当たり前

コロナ禍でオフィスに行きたくないと思っていても会社の制度が追いついていない為、あるいは制度は整っているものの、柔軟な思考のできない上司の指示に従い、コロナ禍以前同様、満員の通勤電車に揺られ出社する人も少なくありません。定められた1時間のランチタイムになると、オフィス近隣のお店に行き、1時間を超えることなく、速やかにオフィスに戻り、仕事をする。働く場所と時間の自由が無いことの窮屈さを改めて実感していませんか?

近年、「働き方改革」が叫ばれて久しいです。働き方改革とは、20代から60代という人生で最も充実し輝ける時期を、①勤務先が求める仕事一辺倒で過ごさない、②自分をすり減らすような仕事の仕方は避ける、③仕事・学び・遊びのバランスをとりつつ、柔軟に人生を組み立てていく、という内容です。コロナ禍においては、上記3項目にそぐわない働き方を強いられている人が少なからず存在します。もちろん、一時的に過酷な状況で働かなければならない状況が発生することは止むをえません。しかし、この状況が恒常化することは、あなた自身の人生を台無しになる可能性が高くなります。正義感で頑張っていらっしゃる方も、是非、ご自身の生き方を見つめなおす時間を持ってください。コロナ禍は、残念ながらある程度の長期にわたる対応が想定されます。緊張状態が続く精神状態は、決してよい結末を迎えません。

副業や起業の準備はどうしたらいい? JAL, ANAの事例にみるスキルの活用

コロナ禍を経て、大企業に勤務していれば安泰という安心感は幻想、という認識が社会に浸透してきました。複数の会社で得意分野に特化して仕事をしたり、いずれの企業にも属さず自分で起業し仕事を選べる立場を目指す人が、今後、ますます増えてくることが想定されます。では、どうすれば、できるだけ低リスクで、副業や起業が果たせるのでしょうか?まずは、現在の会社で行っている業務を通じて得た経験を活かせる業務が挙げられます。

事例として、著しい減便によって働く機会を社外に求めることとなったJAL, ANAの従業員の一時出向先企業や出向先での職務を分析してみましょう。多くの場合、洗練された接客に期待することが伺えます。

まずは、JAL。この年末年始に話題になったのは、巫女(みこ)としての出向です。女性社員31人が福岡県にある宗像大社(むなかたたいしゃ)に派遣されました。宗像大社は毎年、年末年始は参拝客でにぎわいます。今年は参拝客は減少することが想定されますが、新型コロナ感染対策で授与所を増やして参拝者を迎えるため、人材確保に課題がありました。巫女の確保に苦労している宗像大社に対して、日頃の業務で磨かれた高い接客技術を持つ人材の派遣をJALが提案し、短期出向契約が実現しました。受け入れ側はの意図として「職員の皆様は接客のプロで大変心強い。こちらも学ぶ姿勢で臨みたい」と説明しています。つまり、日常業務のスキルのフル活用を受け入れ側は期待しているのです。

次にANA。家電量販店のノジマがANAグループ各社の人材を受け入れています。ノジマのホームページによれば、「ANAグループ各社から高い接遇スキルを持つ人材を受け入れることにより、弊社の既存従業員の接客レベル向上に繋がる、成長の機会になると確信しております。」としています。前述のJALx宗像大社の事例と同じく、これまでの日常業務スキルのフル活用が期待されていますね。

皆さまが副業を検討する際に、考慮したいのは副業勤務先があなたを採用する理由ですね。上記の事例からも分かるように、副業先において不足しているスキルやノウハウをあなたが持っている場合、マッチング成功率が高くなります。

起業を考える場合も、いまあなたに備わっているスキルから派生して考えるのが常套手段です。やったことの無い事業にいきなり手を出すのは無謀です。

ライフシフトの為には取るべきリスクがある

一度の人生を悔いなく生きるには、取るべきリスクはとる必要があります。やって後悔すること、つまり取るべきリスクをとった場合は、失敗したとしても学びがあり、次に活かすことができます。しかし、やらない後悔は、一切の学びがなく、単純に後悔しかありません。人生は、皆、平等に一度しかありません。だとすれば、学びのある後悔をして、次に活かす人生の方が、幸せな人生になるのではないでしょうか?皆、「やるか、やらないか」の選択ができます。あなたの未来を決めるのは、あなた自身の選択にかかっています。