Apple Watch アップルウォッチの血中酸素濃度精度は？

コロナ禍のニュースで、パルスオキシメーターという言葉を耳にしたことはありませんか？名前は聞くが詳しいことは知らない方も少なからずいらっしゃいます。また、パルスオキシメーターで何ができるかという知識も一般には知られていません。パルスオキシメーターとは、血中酸素濃度（SpO2）と脈拍数を測定するための装置です。コロナ禍で、パルスオキシメーターがひっ迫し、手に入りにくくなっています。そんな中、Apple Watchで血中酸素濃度が測定できる可能性があります。今回は、Apple Watchの血中酸素濃度測定機能について調べてみました。

血中酸素濃度(SpO2)とは何？　動脈血酸素飽和度とどう違う？
Apple Watch アップルウォッチで酸素飽和度（SpO2）が計測できるの？
Apple Watchその他の健康関連機能

血中酸素濃度(SpO2)とは何？　動脈血酸素飽和度とどう違う？

血中酸素濃度とは一般用語で、正式名称は経皮的動脈血酸素飽和度（SpO2)です。正式名称は長いため、酸素飽和度と呼ばれることが多いです。SpO2は「oxygen（酸素）のsaturation（飽和度）をpercutaneous（経皮的）に測定する」の略称です。酸素飽和度（SpO2）とは、心臓から全身に運ばれる血液（動脈血）の中を流れている赤血球に含まれるヘモグロビンの何%に酸素が結合しているか、皮膚を通して（経皮的に）調べた値です。

肺や心臓の病気で酸素を体内に取り込む力が落ちてくると、酸素飽和度（SpO2）は下がります。コロナ禍で、オキシメーターがひっ迫する理由は、コロナに罹患すると、肺機能が低下することにあります。一般的に96～99％が標準値とされ、96％以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態（呼吸不全）になっていると認識されます。

肺機能に全く異常のない人が１分間、息を止めた場合、酸素飽和度（SpO2）は93％前後に低下するといわれています。皆さん、１分呼吸を止めたことを想像してください。とても苦しいですよね。つまり、コロナによる肺炎が原因で肺機能が弱くなると、このような苦しさを経験することが想像できます。酸素飽和度（SpO2）が93％の場合、呼吸不全ありと分類されることになります。皆さまが、よく報道で見聞きするエクモ(ECMO、体外式膜型人工肺)は、呼吸器不全の状態で、酸素飽和度（SpO2）が極めて低い状態の患者に用いられているのです。

出典：新型コロナウイルス感染症COVID-19 診療の手引き　第3版

Apple Watch アップルウォッチで酸素飽和度（SpO2）が計測できるの？

皆さん、ご存知の通りApple Watchには、多様な機能がついています。お手元のApple Watchが、Series 6の場合、当初から酸素飽和度（SpO2）測定機能がついています。残念ながら、Series 6以外のApple Watchは、酸素飽和度（SpO2）計測機能はありません。Apple Watchは、米国でも日本でも、医療機器としての認可を受けていません。それ故、血中酸素ウェルネスセンサーという名称を使用しています。また、Appleは以下のような注意事項を明示しています。

注意事項
血中酸素ウェルネス App の測定は、医療用 (自己診断や医師への相談を含む) ではなく、あくまで一般的なフィットネスとウェルネスを目的としたものです。
血中酸素ウェルネス App は 18 歳以上の方が対象です。
睡眠中に数値が少し低めになるのは異常ではありません。人によっては 95%以下になる場合もあります。

医療機器としての認可を受けていない、ということは精度は期待できないのでしょうか？医療機関で使用するパルスオキシメーターとApple Watchで同時測定した結果の差の検証記事やYoutube投稿が国内外で確認されています。

米国ワシントンポスト評価記事の見出しです。

Both the Apple Watch Series 6 and Fitbit Sense have new blood-oxygen apps. They’re mostly useless.
Apple Watch Series 6とFitbit Senseの両方に新しい血中酸素アプリが登場しました。彼らはほとんど役に立たない。

出典：https://www.washingtonpost.com/technology/2020/09/23/apple-watch-oximeter/

日本人医師：上松正和氏のYoutube投稿

この投稿におけるオキシパルスメーターとApple Watchの差は、１％でした。