iPhone12が発表された。買い替えた方がいいの？指紋認証はあるの？

毎年、この時期に開催されるiPhoneの新製品発表会は、多くの方が注目していることと思います。2020年10月14日、iPhone12がAppleから発表されました。新製品発表会では、Hi, Speedと銘打ってあり、あらたな通信規格の幕開けである5G対応であることを匂わせたものでした。そして、予想通り、５G対応機種が発表されました。そして、気になるのは買い替るべきなのか？ということではないでしょうか？この記事では、新機能を追っかけていない庶民ユーザー視点で、分析します。

結論：急いでiPhone12に買い替える必要はありません。

現在、お持ちのiPhoneの機種や、稼働状況によって判断が異なってきますが、iPhone12が5G対応機だから、という理由では、急いで買い替える必要はありません。iPhone6S以降の機種については、2020年10月現在も、iOSの更新サポートが継続しています。iOSの更新対象となっている機種については、Apple社が、きちんとサポートしているという意味です。iOSの更新対象となっている機種であれば、大きなご不満がなければ、引き続きご使用いただくことをお勧めします。

理由１：iPhone12が5G対応だとしても、5Gの通信エリアが未整備です。

iPhone12の最大売り文句は、「5G対応」なのですが、肝心な通信エリアが出来上がっていません。それ故、残念ながら、５Gのメリットを存分に感じる程の恩恵を受けるのは、まだ、先の事と考えられます。5Gの要素で、買い替えの判断をする前提としては、通信業者が、５G環境を提供できている状態ができてからで十分です。とはいえ、5G以外の要素で、iPhone12「買い」の要素はないのでしょうか？

auの2020年10月14日現在の4G, 5G提供エリアです。オレンジ色の箇所は、4G提供エリアで地図全体が４G提供エリアと認識できます。一方で、5G提供エリアは、赤い点の箇所のみです。殆ど、５Gエリアが存在していないことが分かります。

Softbankの2020年10月14日現在の4G, 5G提供エリアです。ピンク色が現在の５G提供エリア、黄色が秋以降の５G提供エリアです。auよりは広いものの、東京全体で５Gが提供されているとは言い難い状況です。

Docomoに至っては、地図の提供すらありません。それくらい、5Gエリアが狭いということです。

理由２：日本版モデルではミリ波には対応していない

5Gに対応したとはいえ、日本版モデルは、米国版との違いがあります。仕様には、以下のような記載があります。

日本：5G(Sub-6 GHz)

米国：5G(Sub-6 GHz, and mmWave)

日米モデルでの相違点は、日本モデルではmmWave,つまりミリ波には対応していない、という点です。ミリ波に対応していない、ということは、結果として通信速度が遅くなります。

電波の特性として、周波数が高いと光の性質を帯びてきます。つまり速度が速くなります。分かりやすい速度のイメージとして、（周波数の低い）音と（周波数の高い）光で速度を比べると、（周波数の高い）光の方が速いですよね。Sub-6とミリ波では、このような差があると思ってください。

理由3：iPhone12は、指紋認証機能はありません

コロナ禍で、マスクを多用する今日、指紋認証を求める声が増えていました。指紋認証機能を希望していた人には残念な結果です。指紋認証機能が欲しい方は、iPhone12ではなく、iPhone SE (第2世代、2020年4月発売）をお勧めします。iPhone7, iPhone8と同じ外観で、ホームボタンが装備されています。

理由4：iPhone12のバッテリー性能は殆ど変わっていない

バッテリー駆動時間では、ビデオストリーミング時間が、iPhone11の10時間から1時間のびています。一般ユーザー視点からすれば、iPhone11と大差なしと言えるのではないでしょうか？したがって、バッテリー性能視点で、買い替えを判断するなら、現在お手持ちのiPhoneの最大容量が、80％を下回っている状態が目安になるのではないでしょうか？

バッテリーの状態の確認方法は、

Step 1 ホーム画面→「設定」

STEP 2「バッテリー」

STEP 3「バッテリーの状態」

で確認できます。

記者の結論：お手元のiPhoneが壊れていなければ、急いでiPhone12に買い替える必要はなさそうです。

読者の皆さまの環境は、それぞれ異なるため、一概には言えません。ただ、おおむね、現在お持ちのiPhoneが故障している、電池が消耗しているなど、ご不満な点がないのであれば、急いで買い替える必要はなさそうです。

それてもiPhone12が欲しい人のために、iPhone12や旧型機の値段は？

iPhone12の発売とともに旧型機となった、iPhone11, iPhoneXRは、値下げされました。とはいえ、今から、旧型機を購入する理由は見当たらない為、旧型機を買うのはお勧めしません。通信規格の変更は、10年に1度の大きな変化です。５Gの通信環境が普及する数年後、5G非対応機は、古さを感じることとなります。