【満員御礼】サイボウズ社長青野氏が葛飾区で講演~令和時代の働き方とパートナーシップ

選択的夫婦別姓

今日の産業界で、最も輝く経営者の一人として活躍する株式会社サイボウズ社長、青野慶久(あおの よしひさ)氏の講演会が葛飾区の区民団体「ダイバーシティかつしか」の主催で行われます。サイボウズは、大手ソフトウェア開発会社で、著名なサービスとしては、グループウェア「サイボウズ Office」「Kintone」などがあります。同社の社長青野さんは、働き方改革の最先端を行く人物で、この分野では必ず取り上げられる第一人者です。

サイボウズ株式会社では、多様な働き方を推進し「100人100通り」の働き方を実現。その結果、離職率が下がり採用・教育のコストが抑えられるようになりました。”チームワークあふれる社会を創る”と言う理念を掲げるサイボウズ株式会社の働き方改革や、ご自身が提起されている選択的夫婦別姓制度の意義について、青野さんに講演いただきます。

サイボウズ社長青野氏が提唱する働き方改革

サイボウズでは、すでに10年以上にわたり、働き方の多様化を推進しています。同社の人事制度の基本概念として、「100人いれば100通りの人事制度」があります。これは、従業員、誰一人同じ個性を持った人はおらず、個性が違うことを前提に、それぞれが望む働き方や報酬が実現されることを理念とするものです。具体的には、従業員が働く「場所」と「時間」を自由に選べるようにしています。「場所」の自由は、つまり、常時のオフィス勤務が必須ではないということです。「時間」の自由とは、残業時間の有無、短時間勤務や、週の勤務日数等の調整が可能な制度です。加えて、育児休業は6年まで取得可能、退職しても最長6年間復帰可能な「育自分休暇」制度等、個人の希望に会社が最大限応えられる制度も構築しています。皆さまが在籍している企業では、ここまで柔軟な制度を持っているでしょうか。

同社を取材した記事では、よく「多様性」が強調されます。しかし、単に多様性ばかりが先行すると、わがままも自分勝手も許される単なるカオスですね。その状態は、営利目的の企業としては体を為しません。多様性を尊重する組織を作るうえで最も大切なことは、「皆が共感するビジョンがあること」です。サイボウズのビジョンは極めてシンプルで分かりやすく、「グループウェアで世界一の会社にする」に焦点を絞っています。したがって、在籍する人は、少なくともビジョンに共感することが求められます。言い換えると、社内におけるすべての行動が、「グループウェアで世界一の会社にする」というビジョンに紐づいているかが徹底的に問われることになる為、このビジョンに共感できない人は入社すべきではないですし、また、勤務の過程でビジョンできなくなった場合も、在籍し続けることは難しくなります。

サイボウズではすっかり根付いた多様性ですが、もともと多様性があったわけではありません。2005年に、従業員の離職率が28%を記録したことが、多様性の必要性に気づくきっかけになっています。離職理由を分析したところ、会社が求める働き方と、従業員が希望する働き方に大きな乖離が存在していることが分かりました。その結果、長時間の残業や休日出勤が当たり前だった状況にメスを入れたのです。10年後の2015年には離職率が3.8%まで低下しています。

 

サイボウズ社長青野氏が求める選択的夫婦別姓制度とは

サイボウズ社長青野氏は、同姓にしたい夫婦は同姓を、別姓にしたい夫婦は別姓を選んでそれぞれ幸せになれる社会を目指しています。2018年1月9日には、日本人と外国人との結婚では同姓か別姓かを選べるのに、日本人同士の結婚だと別姓の選択できないのは「法の下の平等」を定めた日本国憲法に違反するとして、日本国政府を提訴しています。これまで、法律婚によって改姓した女性が原告となった訴訟はあったのですが、法律婚した男性による夫婦別姓訴訟としては青野氏が初めてです。

現在の日本では、民法750条の規定によって、日本人同士が結婚すると、夫婦のどちらかが改姓し、夫婦で同一の姓を名乗らなければなりません。(日本人と外国人が結婚した場合、夫婦のどちらも改姓したくなければしなくてもよいのです。)

サイボウズ社長青野氏は、選択的夫婦別姓制度導入に賛同の立場を取っています。自身のブログにおいても、様々な場面で通称使用の問題点を指摘しています。青野氏は、婚姻により、戸籍上は、妻の氏である「西端」に改姓しています。その為、通称使用が認められない公的書面では「青野」が使えずにいます。世の中の改姓したくない女性の苦しみをご自身が身をもって体験している為、夫婦別姓が認められるようになることを目指して、活動しています。

現在の民法の規定は、女性活躍推進障壁の一因ともなっています。改姓をすると、免許証、パスポート、銀行口座などの様々な場面で改姓手続きが発生します。また、改姓したくない人にとっては、精神的負担も強いることとなります。今まで積み上げてきたキャリアも、改姓によって断絶することになります。また、仕事で旧姓を使い続ける方が増えていますが、新姓と旧姓を使い分ける手間は、本人だけでなく周囲にも発生しています。

それぞれの夫婦には多様性があり、個別の事情があります。婚姻を期に、生まれてからずっと使用してきた姓を、夫婦のどちらかが変えなければなりません。例えば、山田まりさんという女性が、織田信長という男性と結婚することになりました。日本人が婚姻する際には、96%程度が、男性の姓を選択します。もし、この夫婦が婚氏として織田姓を選択した場合、この女性は、織田まり(おだまり)になります。この女性は、織田まりという名前に納得するでしょうか?山田まりさんのご両親は、山田姓を基にバランスのいい名づけをされているはずです。

 

サイボウズ社長青野氏が葛飾区で講演~令和時代の働き方とパートナーシップ

以上のようなホットな話題について、サイボウズ社長青野さんを葛飾区にお招きし、講演いただくことになりました。参加ご希望の方は、葛飾区のサイトからお申し込みください。葛飾区民に限らず、どなたでも申し込み可能です。

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