楽天モバイル 電波が悪い・つながらない  プラチナバンドはいつから?

携帯電話関連

楽天モバイルユーザーから出てくる「圏外病に罹った」という不満の声。楽天モバイルの圏外問題は、基地局が多数ある東京でも発生しています。基地局が多数あっても圏外が発生する原因は、利用している電波の周波数の帯域に問題があるのです。数年前、携帯電話各社のうたい文句として「プラチナバンド」という言葉が頻繁に訴求されました。プラチナバンドとは何でしょうか?プラチナバンドを使用するとどんな良いことがあるのでしょうか?今回は、携帯電話会社各社が欲しているプラチナバンドについて解説します。

楽天モバイルに圏外が多い理由の一つは、プラチナバンドがないから

皆さまがケータイをお使いの場所は、ケータイのアンテナ(基地局)から見たときに、障害物が無いことの方が珍しいと思います。多くの場合は建物の裏側に位置することになります。つまり、アンテナ(基地局)とあなたのケータイとの間には、障害物が存在していることになります。なので、もし、アンテナ(基地局)から電波がまっすぐにした飛ばないとしたら、障害物の裏側にある時点で、圏外になってしまいます。では、docomo, au, Softbankは屋内でも圏外がほとんど発生しないのに、楽天モバイルは圏外が発生しやすいのでしょうか?

楽天モバイルが屋内やビル影で圏外になりやすい原因として、楽天モバイルが使用している電波は、直進性が強いということが挙げられます。つまり、障害物がある場合に、障害物の裏側には電波が届きにくい、ということです。

プラチナバンドって、皆さん耳にしたことはございますか?プラチナバンドとは、700MHz帯から900MHz帯の周波数帯域のことです。プラチナバンドは、docomo, au, Softbankの3社は持っているが、楽天モバイルが持っていないものです。実は、このプラチナバンドが屋内やビル影での携帯利用時の繋がりやすさの鍵を握ります。この周波数帯は、電波の中でも屋内に入りやすく、大人数が使えるため、つながりやすいという特徴があります。その為、携帯電話会社にとっては価値の高い周波数帯で、土地に例えるなら、都心の一等地のようなものです。楽天モバイルが使用している周波数1.7GHzと、docomo, au, Softbankが使用しているプラチナバンドの特徴を示した図解があります。

プラチナバンドの利用権を獲得している大手3社の内、最後発はSoftbankです。総務省による前回のプラチナバンドの割り当ては、2012月2月でした。利用希望事業者は、Softbankの他、docomo, au等も名乗りを挙げました。しかし、2012年2月時点でSoftbankはプラチナバンドの利用割り当てを持っていなかった為、新規の割り当てはソフトバンクに決定しました。割り当てが決まった際の、Softbank孫社長の会見の様子です。当時、孫社長は、「大変うれしく思っている。引き続きネットワークの拡充にまい進したい」とコメントしています。すでに過去の事で、記憶が無くなってしまっていますが、2012年時点では、Softbankも現在の楽天モバイルを同じように、「繋がらない」「圏外」という問題が多発していたのです。

出典:テレビ朝日

現状の周波数の割り当て 大手3社はプラチナバンドを持っているが…

では、現在、楽天モバイル、およびdocomo, au, Softbankはどのような周波数の割り当てを持っているのでしょうか?楽天モバイルが周波数割り当て一覧を作成しています。着目したいのは、700MHz帯~900MHz帯のプラチナバンドです。現在、docomo, au, Softbankは、いずれもプラチナバンドを持ています。一方、楽天モバイルには、プラチナバンドは割り当てられていません。楽天モバイルのアンテナ(基地局)が多い東京都心部であっても屋内では、「繋がりにくい」、「圏外」という問題が発生するのは、このような背景があります。

※楽天モバイルのアンテナ(基地局)の場所については、「楽天モバイル圏外・電波が悪い?アンテナ(基地局)の場所を把握しよう」をご参照ください。

楽天モバイルの今後の展開を予想 当面はプラチナバンドなしが続くか?

2020年12月23日に実施された「デジタル変革時代の電波政策懇談会」の第2回会合で、楽天モバイルは、プラチナバンドの割り当てがないことが競争上不利になるとし、既存周波数の再配分を求め、新規参入事業者の「機会の平等」を訴求しました。

プラチナバンドの周波数帯は、もともと空白地であったわけではなく、従来、この帯域を利用していた事業者を他の周波数帯に移行させることで空白地を作りました。総務省が発表する資料によると、プラチナバンドの周波数帯域は、2011年(平成24年)から2018年(平成30年)の7年にわたり再編されたようです。再編するとなると再び大きな負担が発生するだけに、プラチナバンドの再編に対して、楽天モバイル以外の各社が難色を示すことは想像に難くありません。

資料:総務省 700/900MHz帯周波数再編ポータルサイト

楽天モバイルの主張は理解できますが、楽天モバイルがプラチナバンドを獲得できるかは現時点では不透明です。また、仮に楽天モバイルがプラチナバンドを獲得できたとしても、実際にプラチナバンドを用いて通信を行うことができるようになるのは、帯域の割り当てが得られてからの話になりますから、相当の時間を要します。楽天モバイルが、既存ユーザーから、「繋がりにくい」「圏外」という不満を払しょくするには、現在、割り当てられている1.7GHzを使って、アンテナ(基地局)を充実させる以外に方法はありません。

楽天モバイルに関係するネガティブ要素は、「Rakuten Mini」の対応周波数を無断で変更してしまう、元ソフトバンクで現楽天モバイル従業員がソフトバンクから技術情報を持ち出した後に転職をした等、これまでもたびたび報道されています。プラチナバンドの獲得も重要な点ですが、法令順守のための社内体制の強化も同時並行に行う必要がありそうです。

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